転職診断や適職診断は、自分の興味、価値観、強みの傾向を考えるきっかけになります。一方で、診断結果は「あなたの適職が確定する」「採用される」「年収が上がる」といった保証ではありません。結果を役立てるには、サービスの目的と限界を理解しておくことが大切です。

この記事では、診断で分かること、分からないこと、結果を自分の経験や希望条件と照らし合わせる方法を解説します。

サービスによって質問や評価方法は異なる

一口に転職診断といっても、質問内容や評価方法はサービスによって違います。性格傾向を中心に見るもの、仕事の価値観を整理するもの、スキルや経験を入力して職種候補を出すもの、キャリア相談や求人紹介につながるものなどがあります。

厚生労働省の職業情報提供サイト job tag では、自己診断ツールとして職業興味検査、仕事価値観検査、職業適性テストなどが紹介されています。つまり「診断」と呼ばれるものの中にも、興味、価値観、能力、経験との照合など、見ている観点が複数あるということです。

診断の観点分かりやすいこと注意したいこと
興味関心を持ちやすい仕事領域実務経験や資格の有無までは分からない。
価値観働くうえで大切にしたい条件条件の優先順位は生活状況で変わる。
強み力を発揮しやすい行動傾向職場環境によって発揮しやすさが変わる。
スキル・経験経験に近い職種や不足しそうな要素採用可能性や待遇を保証するものではない。

診断は「考えるきっかけ」として使う

診断結果のよい使い方は、結果に従うことではなく、結果を見ながら自分の経験を振り返ることです。たとえば「人を支援する仕事に興味がある」と表示された場合、すぐに福祉や教育だけを探すのではなく、現在の仕事で人を支援していた場面を思い出してみます。

問い合わせ対応、社内調整、後輩への説明、顧客の不安を減らす提案など、支援の形はさまざまです。診断結果は、こうした経験を拾い上げるための見出しとして使うと役立ちます。

分からないこともはっきりさせる

診断で出た職種名やタイプ名は、あくまで候補です。多くの診断は、今後の採用結果、年収、職場での評価、上司や同僚との相性までは確定できません。job tag のFAQでも、興味や価値観の検査で表示される職業リストは、学歴、就業経験、取得資格、専門性などを考慮していないため、参考として活用する旨が説明されています。

結果を過信しすぎると、「向いていると出たのにうまくいかない」「向いていないと出たから諦める」といった極端な判断につながりやすくなります。診断結果は、現実の条件と並べて確認しましょう。

経験や希望条件と照らし合わせる方法

診断結果を受け取ったら、次の表を使って確認してみてください。結果を「当たっているかどうか」だけで見るよりも、どの経験とつながるかを考えるほうが、次の行動につながります。

診断結果の見直しメモ

  • 結果に出た強みや価値観のうち、納得できるものはどれか。
  • 過去のどの仕事や経験で、その傾向が出ていたか。
  • 違和感がある結果はどれか。なぜ違うと感じるのか。
  • 候補職種に必要なスキル、勤務条件、求人の量を確認したか。
  • 現職で試せる小さな行動や、社内異動の可能性はあるか。

登録や面談案内の有無を確認する

診断サービスには、結果を見るだけのものもあれば、会員登録、求人サービスへの登録、キャリアアドバイザーとの面談案内につながるものもあります。登録前に、料金の有無、個人情報の利用目的、電話やメールでの連絡の有無、退会や配信停止の方法を確認しましょう。

個人情報を入力するサービスでは、運営会社、プライバシーポリシー、問い合わせ先が分かるかも大切です。個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人情報を取得した場合の利用目的の通知または公表について説明されています。利用目的が読み取れない場合は、入力を急がないほうが安心です。

結果を次の行動に変える

診断結果を読んだ後は、候補を一つに絞るより、次の確認行動を決めるのがおすすめです。気になる職種を調べる、経験者の記事を読む、求人票で必要条件を見る、社内で近い仕事をしている人に話を聞く、キャリア相談で整理するなど、選択肢はいくつもあります。

診断は、自分を決めつけるためではなく、考える入口を増やすための道具です。結果に背中を押してもらいつつ、最後は自分の経験、生活、希望条件と合わせて判断しましょう。

出典・参考